この職業ならではの醍醐味とは

介護職と、医療や看護職との違いは何か。一つ挙げるとすれば、介護職は高齢者との関係を処置をするもの・されるものとしていない点であろう。

もちろん医療や看護の知識について共有すべき内容は多いが、基本的に医療とは見方や接し方が異なるのだ。介護職とは要介護の高齢者が自立できるように支える仕事であり、あくまでも主体は高齢者なのである。

高齢者が主体である限り、介護の仕事はマニュアル通りにはいかない。ケアプランもあるが、参考資料の一つと捉えておいたほうがいい。

想像力や柔軟な思考を存分に働かせ、レクリエーションや友だち探しなど、あれこれ工夫して試してみる。そして目の前にいる高齢者をよく観察し、今自分がしていいこととすべきではないことを自発的に考えなければならない。

自分の仕事が良かったのか悪かったのかは、高齢者の反応が物語ってくれるだろう。介護職は人間らしさをとことん追求できる仕事なのだ。

一人ではうまく生活できなくても、介護によって支えられることがきっかけで、前向きに生きていこうとしている高齢者はたくさんいる。高齢者の表情が、生き生きとしたものに変わっていく瞬間に立ち会える魅力が、介護職にはあるのだ。もしそれが自分の仕事がきっかけになっているのなら、さらに大きな喜びを得られるだろう。

こうした感動や高齢者からの感謝が、介護に携わる人のやりがいに繋がる。高齢者との密なコミュニケーションを大切にする職業ならではの醍醐味だろう。