介護の仕事では高齢者とのコミュニケーションも欠かせない。
高齢者とのコミュニケーションを円滑にするには、まず、相手をまねするミラーリングやオウム返しが挙げられる。車椅子やベッドの高さにしゃがんで目線を同じ高さにし、高齢者の表情や手の動き、話すスピードや声の調子を合わせていく。そして、高齢者が発した言葉を繰り返したり、別の言葉に言い換えたりすることで、話をよく聞いていると伝えることができるのだ。
ここで、できるだけ相手を肯定することがポイント。共感しているとアピールできるので、高齢者と会話がどんどん弾むようになるだろう。
次に必要なのが、シチュエーションに合わせて話を変えること。人によって、できることやできないことなど介護度もさまざまだ。そのため、レクリエーション中には個人の話題を持ちかけるより、天候や昼の食事などみんなに共通した話題を選んだ方がいい。聞こえにくい人もいるので、大きめの声ではっきりと話すことがポイントだ。
また、入浴中や排せつ中は、高齢者に抵抗感や恥ずかしさがあることも多いので、向こうから話しかけてこない場合は積極的に話しかけないほうがいいことも。話をするとしても、軽い話題に留めておくほうが無難だ。
高齢者の性格も、喋るのが苦手な人や、小さなことが気に障りやすい人などさまざま。そのため、無口な人には無理なコミュニケーションは取らない、怒りやすい人には嫌がっていることを無理に勧めないなど、人によっても押さえるべきポイントは変わる。
ただいずれにしても、話し方の工夫とシチュエーション別の対応は重要だ。これらをうまく取り入れていくことで、高齢者の心を開いて信頼を勝ち取ることができるだろう。